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マンクス・ロフタンを知る

マンクス・ロフタンは、マン島を原産とする小型の稀少羊種です。褐色のウールと、2本・4本、時には6本になる角を持つ、個性豊かな羊です。

マン島に生まれた羊

マンクス・ロフタンの故郷は、グレートブリテン島とアイルランド島の間に位置するマン島です。北西ヨーロッパに古くから残る短尾羊の仲間で、シェットランドやソーイなどの羊と共通する特徴を持っています。
「ロフタン(Loaghtan)」は、マン島語でこの羊の特徴的な褐色を表す名称です。現在見られる羊は、明るい仔鹿色から深いダークブラウンまで、さまざまな濃淡の茶色い毛に覆われています。

保存が必要な稀少羊種

マンクス・ロフタンは、かつてマン島で広く飼育されていましたが、20世紀半ばには個体数が大きく減少しました。保存に取り組む人々の努力によって絶滅を免れたものの、現在も英国のRare Breeds Survival Trust(RBST)のウォッチリストに掲載されている稀少品種です。
日本には純粋種を保護・保存する目的で、1990年に20頭が導入されました。その子孫は日本各地で飼育され、研究会では血統記録や健全な繁殖を支える活動を続けています。

2本・4本、時には6本の角

マンクス・ロフタンの大きな特徴が、複数に分かれた角です。オス・メスともに2本または4本の角を持つ個体が多く、まれに6本の角を持つこともあります。
角の太さや向きには個体差があり、前方へ大きくカーブするものや、左右へ広がるものなど、さまざまな形が見られます。

ムーリットのウール

マンクス・ロフタンの羊毛(マンクスウール)は、「ムーリット」と呼ばれる豊かな褐色が特徴です。仔鹿色、赤みのある茶色、ダークブラウンなど、染色しなくても自然な色の違いを楽しめます。
毛足や毛質には個体差があり、しなやかなタイプから弾力のあるタイプまでさまざまです。丈夫で風合いのある羊毛は、糸紡ぎ、編み物、織物、フェルトなどに活用されています。

毛刈りとウールの活用

通常はハサミやバリカンで毛刈りを行いますが、原始的な特徴を残す羊の中には、季節になると自然に毛が浮き上がる「換毛」の性質を持つ個体もいます。こうした場合には、浮いてきた毛を無理なく手で摘み取ることもできます。
集めたウールは選別し、それぞれの毛質に合った方法で糸や作品へ生かします。羊を育てることからウールを使うことまで、そのつながりを伝えるのも研究会の大切な活動です。